小型の仿製鏡で鏡面はやや歪んで発見されました。材質は青銅製ですが、鏡面、鏡背面ともに錆化は発見当時進んでいました。
主文は重圏で紐は遺存しています。文様の配列は、紐のまわりに2重の円圏がめぐり、内側が1.65センチ、外側が2.05センチになります。内区は主文に3重の円圏がめぐり、その内側に櫛歯文帯を施しています。径は内側が2.95センチ、内側3.2センチ、外側4.05センチになり、外区は平縁無文で、内区と外区との境にはわずかな段がついています。
山武地域は前期古墳の空白地帯とされていましたが、古墳時代前期後半(4世紀後半)の島戸境1号墳(鏡4面)が発見され、該期の銅鏡発見の事例は北野5号墳で2例目となりました。当地域の空白を埋める資料として極めて重要で、山武郡域や山武市の4世紀代の古墳の動向を探る貴重な資料と言えます。
所在地:山武市歴史民俗資料館
指定日:2011年9月13日
発見場所 | 森台古墳群(北野支群) | 重量 | 21.7グラム |
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年代 | 4世紀前期から中期 | 内区厚 | 1~1.5ミリ |
素材 | 青銅製(仿製鏡) | 外区厚 | 2~2.5ミリ |
文様 | 重圏文 | 紐径 | 13.5ミリ |
面径 | 6.2センチ | 紐高 | 5.5ミリ |