聖観音菩薩立像〔舎利光観音〕は、頭・体のほとんどの部分を一材から彫出する一木造りでつくられています。比較的深い衣丈線より平安中期に遡る古像と推定され、定式化した衣丈線、省略された背面、当初から蓮台を別材とするらしい構造等から11世紀頃までの制作と見られます。
この仏像は、古文書「房総志料続編」によると、元は静岡県の伊豆にある南禅寺にあったとされ、中古出開帳のために江戸にもたらされたが、金銭的な事情で江戸小網町の泉屋仁兵衛のところに預けられ、その後仏像のことを聞きつけた蓮沼村の名主、金右衛門が貰い受けたとする伝承があります。
所在地 : 山武市蓮沼ハ
指定日 : 2004年9月30日