農作業の安全対策
近年、農業就業人口が高齢のため減少する中、農業機械の利用等に伴う農業事故が例年発生しており、千葉県内でも毎年10名程度の方が尊い命を失っています。
全国平均では、65歳以上の高齢者の死亡事故割合が高くなっていますが、その反面、負傷事故は、若年層の方が事故発生率が高い傾向にあります。
労働力の不足を補うために農業機械はかかせないものとなっており、自動運転などのスマート農業化が進み農業機械も大型化しているため、万が一事故が発生した際に重症化しやすくなっています。
こうした状況を踏まえ、農作業事故をなくすために農業者一人一が、安全対策の意識を高めていく必要があります。
農林水産省:農作業死傷事故の発生状況ホームページ参照
農作業環境の見直し
農業機械のエンジンを停止せずにゴミを取り除く等の日常のささいな気のゆるみが、大きな事故につながります。改めて農作業環境を見直し、危険個所の改善に努めるとともに農業機械を購入する際は、安全装置の付いた安全性検査に合格した機械を購入するなど農作業環境の見直しに努めてください。
農業機械をしまう前、しばらく使っていなかった農業機械を使う前には、事故防止のため正常に動くか動作点検を行いましょう。
具体的な改善対策については、独立行政法人農研機構の農作業安全センターホームページを参照願います。
徹底しよう、農業機械の転落・転倒対策
死亡事故の多数が常用型農業機械、トラクターなどからの転落・転倒によるものです。
事故防止対策
- ほ場周辺の危険個所の確認と回避行動の実践(危険個所での減速、危険箇所を迂回するなど)
- 危険個所の改善(道路端や曲がり角の草刈り、路肩の補強など)
- 自動運転中に、ほ場の中や機械の周囲に人がいないか十分注意する。
被害軽減対策
- シートベルトとヘルメットの着用
- 安全キャブ・フレーム付きトラクターの利用
声かけ運動
農作業事故防止のため、家族や知人からも積極的に声かけしましょう。
家族や知人の方からの声かけフレーズのイメージ
- 「橋を渡って左折するときは、速度を落として走行してね」
- 「あの田んぼに行くときは、南側の道は狭いから、北側から回ってね」
- 「シートベルトとヘルメットを忘れないでね」
農作業予定を家族や同僚、知人と共有する
- 出かける前に家族や同僚、知人に作業予定の場所、終了予定時間を伝えておく。
- 1日の作業が終了したら携帯等で連絡する。
(事例)作業予定時間が過ぎても連絡がこない。→作業予定場所を確認→事故の早期発見!
事故の発見が遅れると、生命の危機があります!
農作業安全確認運動
農林水産省では、春と秋に全国農作業安全確認運動を実施しています。
農業者のための労災保険の特別加入制度
労災保険は、本来、労働者の負傷、疾病、傷害、死亡などに対して保険給付を行う制度ですが、加入義務のない農業者の方も、一定の要件のもとに特別加入という形で任意加入できます。
詳細は農林水産省のホームページ農業者のための労災保険の特別加入制度をご覧ください。