のら猫によるフン尿の被害や鳴き声に困っている。猫がごみを荒らしてしまう。庭で子猫が何匹も生まれてしまった……。
市には、飼い主のいない猫いわゆる「のら猫」に関するさまざまな相談が寄せられています。
また、かわいそうだから保護してほしいというご要望も寄せられますが、市では猫の保護・収容は行っておりません。
猫は「動物の愛護及び管理に関する法律」の定める愛護動物であり、遺棄や虐待は法律で禁止されています。迷惑な存在だからといってみだりに傷つく恐れがある行為や捕獲し排除する行為を行うことはできません。
ただ、猫は非常に繁殖力の強い動物です。メスは生後5か月ほどから妊娠が可能になり、年間で2~4回の出産が可能になります。
1度の出産で4~8匹の子猫を生むので、単純に1匹の猫から1年間で20匹くらいの子猫が生まれることになります。
数が増えれば、フン尿被害などの地域の困りごとも増加し、生活環境に大きな影響を及ぼします。地域にのら猫が多く住み着くような状況は、猫に困っている方はもちろん、猫をかわいそうに思う方にとっても、望ましいものではありません。
エサをあげるなら責任をもって!
餌を与えるだけの管理では、繁殖などによって、厳しい環境で生活しなければならない猫が増加し、結果、周辺での迷惑問題も大きくなってしまいます。動物の愛護及び管理上好ましくない事態を引き起こさないように、次のことを守ってください。
- 不妊・去勢手術を実施し、これ以上増えないようにしましょう。
- できるだけ自分の敷地内で餌を与え、後片付けをしましょう。
- フンの始末をしましょう。
地域での取組
「飼い主のいない猫」の問題の解決策として、猫を排除するのではなく、これを地域の問題として捉え
- 猫も命あるものだという考え方で、
- その地域にお住まいの皆さんの合意のもとに、
- 地域で猫を適正に管理しながら共生していく、
という活動が全国に広がっています。
具体的には、不妊去勢手術を行って、これ以上増えないようにしたうえで、適切に餌を与え、食べ残しやフンの掃除をして管理していくというものです。
また、飼い主のいない猫対策の取組の基本として、TNRがあります。
TNRとは、捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)を施して、元の場所に戻す(Return)ことです。
トラブル解決のためには、TNRだけでなく、トイレの設置・清掃やエサの管理など、TNR後の管理にも取り組んでいかなければなりません。
屋外の猫の寿命は4年程度といわれていますから、このような管理がうまく続けば、「飼い主のいない猫」の数は減少していくものと考えられます。
さらに、地域住民の方々が活動主体となり、より適正にお世話をすることを「地域猫活動」といい、人と飼い主のいない猫が共生していくための有効な方法のひとつとして、全国的にも注目されています。
自宅の敷地に猫が来て困っている人へ
自宅敷地でのフン尿被害等に困っている場合、「猫が来たくない環境づくり」をおすすめしています。
猫が嫌うにおいのするものや音のでるものを置くなどすることで、猫が寄りつきにくくなります。
猫がよく居つく場所に設置すると効果的です。
ただし、猫は学習能力の高い動物ですので、同じ種類のものを長期間継続して使っていると効果が薄れてしまいます。1~2週間程度で使用するものを変え、猫にとって居心地の悪い場所であることを学習させることがポイントです。
例1.木酢液・・・市販の物をスプレーやジョウロ等で散布するか、容器に入れて通路に置く。(スポンジ等に吸収させると効果が持続する。)
例2.みかん等の皮・・・みかん等かんきつ類の皮を撒く。またネット等に入れて吊るす。(猫は柑橘系の臭いを嫌います。)
例3.ニンニクやトウガラシ・・・細かく刻んで撒くか、目の細かい網の袋に入れて吊るす。
例4.市販の忌避剤 ・・・ペットショップ、ホームセンター等で販売している。
例5.センサーブザー・・・センサー感知式のブザーにより、猫が通るとブザーが鳴る。(防犯用に市販されています。)
例6.センサー超音波・・・赤外線センサーにより、猫が通ると自動検知し、特殊超音波を発生させる。(猫避けとして市販されています。)