文化財・歴史

妙見菩薩懸仏

妙見菩薩懸仏

 本尊妙見菩薩像と鏡板とを共鋳する銅像懸仏。吊鐶、覆輪、台座等も全て同鋳で造り出す。鏡板裏面に、「正安元年 七月/藤原末友」との陰刻銘があり、13世紀末の制作であることが判明する。妙見菩薩は、北極星、北斗七星を神格化した尊格で、千葉氏が軍神として信奉したことで知られる。本面も、その末裔と伝える旧家に奉祀されているものである。

 本面で特筆されるのは、紀年在銘妙見彫像の中でも現存最古に当たり、また、妙見菩薩を本尊とする現存唯一の懸仏であるという点であろう。さらに、像容上注目されるのは、着甲、披髪、刀印、倚像、台座に亀蛇を現わすという5つの特徴である。これらは、鎌倉中期以前の妙見図像や彫刻には殆ど見られず、それ以降、除々に普及してゆく形制である。かかる形制は、仏教的妙見信仰に、真武神、鎮宅霊符神、大将軍など、道教、陰陽道の諸神の信仰が混淆し、その影響が像容に及んだものと解せられる。つまり本面は、鎌倉時代における妙見菩薩像の変容を、最も明確に体現した作例ということができるだろう。(『房総の神と仏』千葉市美術館による)

所在地 : 山武市成東
指定日 : 2002年3月25日

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