文化財・歴史

庚申塔

 道教の信仰(60日ごとに巡ってくる庚申の夜、人体内にひそむ三尸の虫が、人の眠っている間に抜け出し、天に昇ってその人の罪科を天帝に告げ、人の命を縮めるという。そこで人々は、虫の脱出を防ぐため眠らず身を謹んで夜明かしをする)に仏教的信仰が加わって室町時代以降、「庚申待」をする講が結ばれ、月待講にならい庚申塔の造立も行われるようになった。江戸時代に入ると身を謹み永命招福を祈願する本来の信仰の姿が失われ、庚申様(青面金剛神や猿田彦神など)を祭り、夜を徹して歓談・飲食する民間行事として各地に大流行した。山武市下で最古の塔は延宝8年(1680年)造立である。邪鬼を踏み付け、悪疫を調状する青面金剛神・謹慎態度を示す見ざる、言わざる、聞かざるを象徴する三猿・日月・鶏などが陽刻されている例が多い。

浅間神社庚申塔

「浅間神社庚申塔」の画像 享保元年(1716)9月に造立されました。
総高246センチメートル、二段の基礎の上に立つ塔身の正面には主尊として、邪鬼を踏まえた六臂の青面金剛を陽刻しています。唐破風式の笠石の間口、塔身の幅、基礎の幅、いずれも大差がないせいか、規模の大きさとともに安定度の強さを思わせる塔です。
造立者田越の村人たちの、経済的な負担に堪えた根強い庚申信仰の現れです。

所在地 : 山武市松尾町田越
指定日 : 1980年10月30日

早船庚申塔と地蔵尊

「早船庚申塔と地蔵尊」の画像 この塔は山武市下最大級(高さ3メートル30センチ余り)を誇る。塔身左右面には蓮華の陽刻がある。
 また、僧形地蔵尊は左手に宝珠、右手に錫杖をもち、冥界に行くものを救う延命地蔵であり、同時に文化財に指定された。

【陰刻銘文】
表面 : 延宝八庚申天 三月大吉日 敬白
右面 : 北組(結縁者氏名)
裏面 : 上総国武射郡早船村 中組(結縁者氏名)
左面 : 南組(結縁者氏名)
所在地 : 山武市早船
指定日 : 1980年12月22日

室ノ木庚申塔

「室ノ木庚申塔」の画像 【陰刻銘文】
右面 : 奉造立庚申講中供養 成東村之内上町、辺田
左面 : 延宝八庚申年正月廿九日 宮前、根蔵
裏面 : 武州江戸深川 細工人石屋五郎兵衛
所在地 : 山武市成東
指定日 : 1985年7月29日

正福寺庚申塔

「正福寺庚申塔」の画像【陰刻銘文】
表面 : 奉祈造立石塔・現世安穏所・・・・・二人
      延宝八年庚申十月吉日 本須・・・院
所在地 : 山武市松ケ谷
指定日 : 1985年7月29日

光福寺庚申塔

「光福寺庚申塔」の画像 造立の享保17年(1732年)は前年からの大飢饉が続き農村は苦境に陥っていた。寺崎村地頭、旗本長谷川修理及び宮城采女はこれを憂い、五穀豊穣と村民の安隠を祈ってこれを建立した。県内でも数少ない領主と農民の関係を象徴する石造物である。

【陰刻銘文】
右面 : 御地頭 長谷川修理 宮城采女
左面 : 享保十七年壬子十一月吉日 上総国武射郡寺崎村
所在地 : 山武市寺崎
指定日 : 1997年11月21日

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