糖尿病予防

世界から見た糖尿病

国際糖尿病連合（IDF)の発表によると、世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2021年現在で糖尿病有病者数は5億3700万人に上りました。

2021年の20歳から79歳の成人の糖尿病有病率は10.5％で、10人に1人が糖尿病有病者と推定されています。

国連は11月14日を「世界糖尿病デー」と指定し、全世界で糖尿病抑制にむけたキャンペーンを推進しています。

ブルーサークル

日本の現状は？

平成29年患者調査（厚生労働省）によると、糖尿病の患者数は328万9000人で過去最高になりました。

糖尿病は50歳を超えると増え始め、70歳以上では男性の4人に1人、女性の5人に1人が糖尿病とみられます。

糖尿病は、痛みなど自覚症状が少ないため、そのまま治療を受けないことが増加の要因と考えられています。

山武市の現状は？

山武市でも、血糖値が高くても受診しない方、受診していても中断してしまう方が多くいます。初期の糖尿病は自覚症状がありません。いかに早く治療を受け、生活改善できるかによって、その後の人生が大きく変わります。

【　山武市特定健康診査受診者からみた糖尿病に関する経年結果　】　　(40～74歳)
	令和元年度	令和2年度	令和3年度	令和4年度	令和5年度
集団特定健康診査受診者　（人）	5,044	1,247	3,216	3,729	3,590
糖尿病治療中　（人）	444	31	265	318	314
糖尿病疑い　（人）【HbA1c6.5％以上又は空腹時血糖が126mg/dl以上に該当する方】〔治療中の方は除く〕	203	10	101	109	115
糖尿病予備群　（人）	2,563	68	1,194	1,313	1490

HbA1c：過去1～2カ月の長期的な血糖の状態がわかります。

※糖尿病予備群は、HbA1c5.6～6.4%または空腹時血糖100～125mg/dlの方です。（治療中除く）

【　経年的に見た国保加入者透析患者数　】
	平成30年度	令和元年度	令和2年度	令和3年度	令和4年度
（人）	47	48	49	57	57

【特定疾病療養受療証交付実績より】

山武市の医療費について [PDF形式／206.63KB]
野菜を先に食べて血糖値を改善しましょう [PDF形式／191.54KB]

糖尿病とは？

糖尿病とはインスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取りいれられた栄養素がうまく利用されずに、血液中の血糖が多くなっている状態です。

糖尿病フロー

サンプル画像 インスリンとは？
すい臓から分泌されるホルモンです。血液中に余った糖を貯蔵したり、いったん貯蔵した糖をエネルギーとして再活用したりします。

インスリンの説明

血糖値の変化

1日の血糖値の変化

糖尿病の分類

糖尿病には1型と2型があります。

1型は、ウィルス感染などにより突然すい臓からインスリンが出なくなってしまうタイプで、主に小児から思春期になります。

2型は、インスリンは作られても、出かたが悪かったり、うまく働かなくなるタイプで、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣の乱れが大きな要因です。日本人糖尿病患者の95％以上はこの2型です。食生活の欧米化や、交通機関の発達による身体活動の低下、不規則な生活で夜型生活者が増加したことなどが増加原因と考えられます。

リンク：スマート・ライフ・プロジェクト「定期的に振り返る『糖尿（糖尿病）』」

糖尿病を放置すると・・・

糖尿病を放置すると、全身のあらゆる部分に恐ろしい合併症を引き起こします。

そのため、糖尿病は「病気のデパート」と言われています。

糖尿病の3大合併症は、　　　と覚えましょう。

糖尿病の「しめじ」説明

それ以外にも、脳梗塞、心筋梗塞、歯周病、がん、認知症などの合併症があります。

高血糖になってから、およそ10年後に合併症が現れます。早期に血糖をうまくコントロールすれば、合併症は起こりません！！

高血糖

3大合併症

糖尿病の指標！ＨｂＡ1ｃ（ヘモグロビンエーワンシー）

HbA1cは、過去1～2カ月の長期的な血糖の状態がわかります。5.6％以上は要注意です。

※平成24年よりHbA1c値の国際基準化が実行され、NGSP値が導入されました。NGSP値は、これまで使われていたJDS値に0.4％を足した値です。

医師と患者

糖尿病を予防するには？

1．自分の健康状態を知ろう

(1) 自分の標準体重や肥満度（BMI）、腹囲を知りましょう。

(2) 1日に必要なカロリー量を計算してみましょう。

(3) 空腹時血糖やHbA1cの基準値を知りましょう。

チェックする人

自分の標準体重や肥満度（BMI）、腹囲を知りましょう。

【標準体重の出し方】
身長（ｍ）×身長（ｍ）×22＝〔　　　　kg〕
（例）身長160ｃｍの場合
1.6　×　1.6　×　22　＝56.3 kg

【肥満度（BMI）の出し方】
体重（kg）÷身長（ｍ）÷身長（ｍ）＝肥満度（BMI）
（例）身長160ｃｍ、体重60kgの場合
60　÷　1.6　÷　1.6　＝　23.4

肥満度（BMI）の見方
や　せ	18.4以下
普　通	18.5～24.9
肥りすぎ	25.0以上

体重計に乗る人

【腹囲の測定方法】

(1)立った姿勢で(2)息を吐いて(3)へその高さで巻尺を水平に巻いて測定します。

男性85ｃｍ以下が望ましい。

女性90ｃｍ以下が望ましい。　

腹囲のはかり方

1日に必要なカロリーを計算してみましょう。

【エネルギー摂取量の出し方】

代謝基準値(kcal／kg／日)　×　標準体重(kg)　×　身体活動レベル　＝　エネルギー摂取量（kcal／日）

代謝基準値表
年齢	男性	女性
1~2歳	61.0	59.7
3~5歳	54.8	52.2
6~7歳	44.3	41.9
8~9歳	40.8	38.3
10~11歳	37.4	34.8
12~14歳	31.8	29.6
15~17歳	27.0	25.3
18~29歳	24.0	23.6
30~49歳	22.3	21.7
50~69歳	21.5	20.7
70歳以上	21.5	20.7

運動をする人たち

身体活動レベル表
身体活動レベル	（低い）	（ふつう）	（高い）
15~69歳	1.50	1.75	2.0
日常生活の内容	生活の大部分が座っていて静かな活動	座っていることが中心の仕事だが、職場内の移動や立っての作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合	移動や立っていることが多い仕事をしている人。あるいはスポーツ等の余暇で活発な運動習慣を持っている場合。

空腹時血糖やHbA1cの基準値を知りましょう。　　

	正常領域	正常高値	境界領域	糖尿病領域
HbA1c　NGSP値	5.5以下	5.6～5.9	6.0～6.4	6.5以上
空腹時血糖（mg／dl）	100未満	100～109	110～125	126以上

糖尿病治療ガイド2012－2013より