レストランやわらぎ郵便配達員さんの休憩所木戸川のほとりにある小さなお店の店先に、大きな文字でメニューが描かれた看板がある。どれもボクの大好きなメニューばかりで、その看板を見る度、食欲がそそられる。ボクがはじめてそのお店を訪れた時のこと。お昼の時間に少し早かったようで、ボクが一番客だった。ボクは表の看板にあった「カツ丼」を注文した。お店は年配のご夫婦で切り盛りされていて、長きにわたって営まれてきたことが店内の随所で伺える。窓から見える護岸工事で囲われた無機質なコンクリート壁の景色も、かつてはその向こうに流れる木戸川が広がっていたのだろうと、その頃の景色をうらやましく思いながら眺めていた。店内にカツ丼のいい匂いが漂ってきた。間もなくして「おまちどうさま」と出て来たカツ丼が、通常よりも随分と大きなお椀で出てきて驚いた。サクッと揚がったカツと、フワッととろける玉子のかかったいわゆるカツ丼は、味もボクが食べたかったカツ丼そのものだった。表に郵便配達員さんの赤いバイクが停まった。郵便物のお届けかと思いきや、配達員さんは店に入るとどっかり 32もっともっともっともっとさんむさんむno.10
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