THE BARNYとHの物語九十九里からの潮風が抜ける広大な土地と、そこに建つ築80年を超える納屋との出会いから、陽介さんと英代さんご夫婦の山武での物語ははじまった。理想の〝菜園とカフェ〟を作りたい。その夢に向かって、長年使われていない納屋の修復作業や、荒れ果てた土地の開墾など、これまで経験したことのない作業からスタートした。連日の重労働も、持ち前のバイタリティさで乗り切り、徐々にふたりの理想が形作られていった。DIYで作った棚や扉などが取り付けられると、古かった納屋は見違えるような空間となっていき、菜園作りの土運びでは、すっかり一輪車の扱いが上手くなった。こうして2年の歳月が過ぎ、ついにふたりの理想の菜園とカフェ「THE BARN」が完成したのだ。納屋は、歴史の趣を残しつつも、ふたりのセンスが随所に光るカフェへと変貌を遂げ、開墾した土地は、様々な野菜や果物が育つ菜園へと生まれ変わった。収穫した野菜や果物は、ふたりが作る料理やスイーツに使われ、今ではそのおいしさを求めて、遠方からもお客さんが訪れるほど人気のカフェとなった。「THEBARN」は、陽介さんと英代さんご夫婦が、これまで歩んでこられた人生そのものが詰まったような場所だ。店の扉を開けると、英代さんの笑顔と陽介さんが淹れるコーヒーの香りがやさしく迎えてくれる。ボクがこのお店を訪れるのは何度目だろうか。ボクは、陽介さん特製のハンバーガーと、英代さんが作るキャロットケーキをいただくのがお決まりだ。今日はあいにくのお天気で、12月らしい肌寒さだけど、英代さんが出してくれた金柑が入った生姜湯で、冷えた体が一気に温まった。早速、注文したハンバーガーをいただく。国産牛の赤身を使ったパテを、ブリオッシュバンズで挟んだハンバーガーは、陽介さんがオーストラリアで暮らしていた頃に磨いた、BBQと燻製技術が活かされた逸品だ。凝縮した肉のうまみと、ほんのり甘いブリオッシュとの相性は抜群だ。菜園で採れた彩り豊かな野菜のサラダは、英代さんお手製のドレッシングによって、より一層フレッシュさを感じる。食後のキャロットケーキは、ふたりがバークレイのカフェで出会ったときの、思い出の味を再現したものだそう。家族に 14もっともっともっともっとさんむさんむno.02
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