そうだ。中でも「野菜ソムリエプロ」というのは、野菜や果物の専門知識だけではなく、野菜の魅力や価値を社会に伝えることも目的のひとつとした資格で、その狭き門を突破し、「野菜ソムリエプロ」の称号を胸に農家としての道を歩み始めた。過酷な夏を乗り越えた畑では、すっかり冬野菜の収穫を迎えている。あの夏に収穫した、「スイートカメレオン」や「グランドペチカ」を使った料理を「LaPappa」でいただいたのも、随分と懐かしく思える。夏の酷暑の影響が心配されたが、思いの外順調に育ったようで、しっかりした味わいを身につけた冬野菜が出来上がっていた。剛さんが育てる3種類のかぶも、それぞれ最盛期を迎えている。ラディッシュのような赤いかぶ「もものすけ」は、周りの赤い部分を剥くと中から真っ白なかぶが現れ、これを生でかぶりつくのが絶品なのだと、剛さん自ら剥いて食べさせてくれた。噛むと、歯応えのいい音と共に溢れ出る水分は柿のように甘い。同じく旬を迎えたからし菜は、鼻に抜ける辛味感が特徴で、この時期の晩酌の肴には、からし菜とかぶが一番だと剛さんは言う。ボクが、剛さんが大好きな「LaPappa」のアンチョビポテトを食べた話をすると、あれはビールによく合うと言って、羨ましがっていた。剛さんもボクも酒飲みだ。今度一緒に、「LaPappa」のロティサリーチキンとアンチョビポテトを食べようと約束した。その夜ボクは、からし菜とかぶを肴に晩酌を楽しんだ。12左下:隣接のレストラン「Ta cachette(タ・カシェット)」で、ソムリエファームの野菜をふんだんに使った「サラダランチ」をご賞味あれ 右下:『もものすけ』の赤い皮を剥くと、中は真っ白なかぶが出てくるソムリエファームURL:watanabeyasai.jimdofree.comLa PappaInstagram:@nishichiba_lapappa
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